剣と清貧のヨーロッパ - 中世の騎士修道会と托鉢修道会 (中公新書)

剣と清貧のヨーロッパ - 中世の騎士修道会と托鉢修道会 (中公新書)

strong>本, 佐藤 彰一

剣と清貧のヨーロッパ - 中世の騎士修道会と托鉢修道会 (中公新書)
によって 佐藤 彰一
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内容紹介 俗世間を離れ、自らの心の内を見つめ、修練をはかる修道院。12世紀、突如としてその伝統から大きく離れた修道会が生まれた。騎士修道会と托鉢修道会である。かたや十字軍となって聖地や北方、イベリア半島で異教徒と戦い、かたや都市のただ中で貧民の救済にラディカルにつとめた。これら「鬼子」ともいうべき修道会はなぜ生まれ、どのような行路をたどったのか。各修道会の戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。 内容(「BOOK」データベースより) 俗世間を離れ、自らの心の内を見つめる修道院。だが12世紀、突如その伝統から大きく離れた修道会が生まれた。騎士修道会と托鉢修道会である。かたや十字軍となって聖地エルサレムやイベリア半島、北方で異教徒と戦い、かたや聖フランチェスコらが都市のただ中で民衆の信仰のあり方をラディカルに変革した。これら“鬼子”ともいうべき修道会の由来と変遷を、各修道会の戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 佐藤/彰一 1945年山形県生まれ。1968年、中央大学法学部卒、1976年、早稲田大学大学院博士課程満期退学。名古屋大学教授等を経て、同大学名誉教授。日本学士院会員。『修道院と農民―会計文書から見た中世形成期ロワール地方』により日本学士院賞受賞。専攻・西洋中世史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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“剣と清貧”…そんなタイトルを掲げた本書は、12世紀ヨーロッパに登場した「騎士修道会」と「托鉢修道会」に着目し、キリスト教史が大きな転機を迎えた事を論じている。特に、個別の修道会毎に解説している所には具体性があり、その実態を知る上では欠かせない手引書として実に有用であった。第一章~第五章…騎士修道会主に着目するのはテンプル騎士修道会、ホスピタル騎士修道会、ドイツ騎士修道会、そして、レコンキスタの元に発達したイベリア半島の修道会等。先ずは十字軍の遠征に端を発した騎士修道会の出現について解説し、歴史や時代背景を読み解きながら戒律や会則、入会と日々の生活、特権や所領の管理、更には騎士修道会ならではの遠征や海外進出について細かく紹介しているので、組織の実態が非常に良く解る。また、「殺人ではなく誅殺」としてキリスト教徒の名の下に戦いや殺戮を正当化していた事を論じている所には多くを考えさせられた一方で、騎士達の生活…例えば、衣服や食事について取り上げているのも面白い。特に、テンプルの第25条で「二人一組で一つの皿から食べる」と定めているのは、「深皿の不足を理由としているが、実は相手の食べる量を監視出来るから」とあったのには思わず笑ってしまったが、実は決して卑しく食べるのを見張る為ではなく、寧ろ、節食や断食に依る体力不足を防ぐ為であり、そこに“戦闘集団”としての性質がある事を指摘しているのには大きく肯かされた次第である。彼等は修道士であると同時に、やはり戦士でもあったのだ。第六章~第九章…托鉢修道会かの有名なアッシジのフランチェスコ、ドミニコ修道会、ベギン派を個別に取り上げる。先ずは、托鉢修道会の出現がヨーロッパの都市化と貨幣の流通、また鉱山の開発等で豊かになった生活の中での反動であったという時代背景を読み解くと同時に、異端…即ち、教会の制度への反発こそが十二世紀の“異端”であった事を説いている。(因みに本書では、カタリ派についてもしっかりと取り上げているので「異端」も様々であった事も良く解る。)確かに、日本に於いても寺社の力が強くなる中で、それに異を唱えるような市井の聖が出現したが、本書では「恵まれた環境を捨てて清貧に生きた」聖フランチェスコを取り上げていくので、托鉢修道士の原点を実感する事が出来るであろう。尚、フランチェスコが実は永らく騎士に憧れていた事等からは意外な横顔を垣間見たようでもあるし、その一方で、自らは学識を備えていたにも拘らず、学問や書物に対して否定的であった所に社会的な上昇志向を大罪と見做した彼の真意が読み取る事が出来る。また、ドミニクがイスラム教の捕虜となった人の為に自らを奴隷として売る事に依って身代金にしようとした話からは彼の自己犠牲の精神を読み取る事が出来るし、更には、修道院の外で活動したベギン派の「聖と俗」については、修道士には様々な役割があった事を述べると共に、当時の女性の立場にも焦点を当てている。ここでは数多くの逸話を披露してくれるので楽しく読み終える事が出来るであろう。12世紀の修道会の実態を詳述すると共に、彼等の信仰のあり方を知る事が出来る良書。新書とは思えない程に内容が充実しているので、中世ヨーロッパの修道会に興味がある方は是非とも手に取って頂きたいと思う。

Angel Neo Bonne Lecture En Ligne Ebooks 2021

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